模擬対話

題のとおりです

 

哲学の授業で出された課題の模擬的な対話劇を貼っておくので暇な方はどうぞ

 

 


M先生「今回の議題は『人と人の関係って切れるの?』です。それでは意見があるひとはどうぞ(毛糸ボールを投げる)」


A氏「僕は人と人の関係って切れないと思います。これは経験なんですけど小学校とか中学校の友人ってその時は友人関係であって,卒業した後関係が切れるというより連絡するような関係でなくなるだけであってつながりが薄くなっただけであるととらえるのが僕の考えですね。はい(せやなと軽くうなずく群衆)」


D氏「(ボールを受け取る)僕も関係は切れないと思います。よく痛いカップルとかで別れた後ツイッターのアイコンが真っ黒とか真っ白とかありますけど,ある程度の関係の厚みが見えないくらいにつぶれただけで無視する同士という関係が続くことはよくあります。これは関係が切れているとは言えないのではないでしょうか。」


S氏「それは違うのではないでしょうか。例えば,街中で知らない人とすれ違ったり,若干目が合っても無意識に面識のない人であると認識していますよね。言うなれば無意識に無視しています。この点においては意識的な無視と意識的な無視で異なりますが客観的に見れば無視という風にとらえられます。すなわち人と人の関係は切ったりつなげたりが簡単ものであると考えます。私は」


T氏「おっ(キャッチ),なるほどね。わかるよ。ところでA,B氏は一度つながったら切れない関係なんだけどそれが薄くなったり太くなったりする関係の形状変化だと考えているんだね?」


A氏「おん。もちろんそのようなイメージ,考えかな。」


B氏「同感」


T氏「T氏的にはねぇ~ほんまやなぁ。どっちも共感するところがあるけど人と人の関係ってある程度客観視されたうえで決まるような点が少なからずあると思うからS氏しに賛同しちゃうかな。ただ人情的にはつながったものが一生切れない考えの方が好きだね。機械的でない方がなんだか性にあうかんじ。」


M先生「有難うございます。おもしろいですね。私はどちらかと言えば一度つながった関係が切れずに変化していくほうに共感しますね。ただどちらも人と人の関係が可視化されていないという点,すなわち無視などの上辺だけでわかる判断基準ではなく,その裏側の心情等にはどのくらい重点があるかどうか気になりますが皆さんどうでしょう。」


A氏「裏側にある重点度は100%です。そりゃだって感情,心情があるからこそつながりが形作られるんです。ときには細くなったり,もう一度つながりが深くなったり時として色が大きく変化することもある。まさに芸術といってもいいです。まさにこれがあてはまるのは恋愛ごとだと思います。つながりが絶たれたとおもってもなにかと切っても切れないことになることが多いと思います。ビジネスパートナーとかでも上辺だけでやっていこうとかそう思う瞬間や思っていることがあるはずです。このことからもやっぱり人の感情や裏側にあるものが何らかの形で無意識に人と人の関係を形づくってしまうのだと考えます。」


M先生「どうですか?この点には皆さんほぼほぼ賛同するような感じですけど(ちょっとしたうなずき)なるほど。じゃあ新しい視点を導入しましょう。もし関係があると思っていても一方がそう思っていなかった場合はどうでしょうか?」
T氏「そりゃ悲しいですね…悲しいは関係ないですけどね。僕は一方的に向けられる感情はあまり好きでないですがそれはそれで別の始点からみればそぐわない関係同士なんて言われそうです。」


B氏「なるほど」


A氏「俺もそう思う。」


S氏「けど,そのようなタイミングで大きくつながりが形状変化して切れそうになったとき,それはもう切れているといってもいいのでは?


A氏「ま,そうなんだけど,それはTPOにあわせた仮面の付け替えの差が激しいからじゃないかな。ON,OFFができるような人は冷徹な人が多いイメージ。人と人の関係が文字通り固まっていてある意味では関係がないようにもみえるかも。」


B氏「むっちゃおもろいこというやんか」


T氏「ここで人それぞれっていう言葉はあまり使いたくないんだけど,ほんと人と人の関係のつながり方とかつなげ方とか切れ方って色々で人と人の関係の形は様々だと思う。けど一度つながったら両者の記憶がなくなろうともつながりは墓に入るまで切れないし,なくならないんだねって思った。第三者の目やその人自体を未来につなげる人が必ず誰かいるんだもの。」


A氏「人ってすげぇよな,生まれた瞬間にすでに誰かの喜びを作りだしているんだもん。喜びを作りだすために生をうけたようなもんだよ。」


M先生「なんだか深くなったり広がったりしているような気がしますがどうでしょう。このあついうちにここらで時間ということで。みなさんお疲れさまでした。」