某授業の某感想

以下先日の授業での感想です。

 

20日に行われた講義では,実際に起業を行った○○さんからお話をしてもらった。その講義では,○○さんのキャリアや,起業に至るまでの道筋が示されていた。特にターニングポイントとなった部分を説明し,我々にもそのきっかけを促すような話をしていた。講義終了後,周りのクラスメイトは,起業の仕方(どのようにどうやって起業するか)や根性論的な部分ではなくもっと詳細な部分を知りたかった,そもそも起業に興味がないと言っていた。

私自身,講義自体にはかなりのめりこんでいたし,講義内容もよかったと感じていた。しかし,先ほど述べたようなクラスメイトの意見を聞いた際に,高専生にとっての起業という視点は足りなかったのではないかと感じた。

多くの場合,学校に来てスライドで講義を行うゲストの方々はいわば成功者といって差し支えないはずだ。成功を,何を基準としてしているのかは別として,一般的な視点に立てってみたときに敗者ではなく成功者であると皆が判断するはずだ。我々学生からすれば,そのゲスト達のキャリアを聞くと,現実離れしていると感じてしまう。偏差値が高い大学で,やりたいことをやるために突き進み,留学を経験し,どんなこともできる。そのような印象を受ける方々ばかりである。確かに,ゲストの方々の講義によって我々は新たな刺激を受けるし,それがきっかけで行動を変えること,人生像が変わることはあると思う。ただ,その講義一回だけでは本質が見えてこないのである。大半の人が,こんな人もいるのだな,で終わってしまう。講義だけで,自分の本当にやりたいことや将来像,そこへ至るまでのアプローチを自分自身の中から引き出すことはできない。

そういった視点で,○○さんは学生を自分のテリトリーに巻き込もうとしていたので,その部分は○○さんの気持ちが伝わったと思うし,巻き込まれてみたいと思った学生を作りだしたことはかなり大きな一歩であると考えられる。一方で,起業の魅力を全く感じられない高専生からすればこの講義は少し退屈であったのかもしれない。お金を稼ぐための仕事であって,趣味や土日のために働く人も少なくはないと思う。その人たちにとってみれば,少なからずリスクを伴う起業や,仕事にやりがいを求められることは違うと考えているのであろう。その人たちの動きづらい精神をどう変えるのか,そこが重要になるのではないだろうか。今回の講義は,やりたいことを突き詰めるような人々のための講義であったが故に,そういった人々を巻き込めなかったのは事実である。

最後に,私が○○さんに,海外旅行などで○○さんにしかないであろうと考えられる視点で発見したことは何かと尋ねると,日本の良さが少なからず浮彫になるといったようなことを言っていた。追加で,最悪,やりたいことはアルバイトをしながらであれば絶対続けられるとも言っていた。私は,その意見には納得したし,今後自分が挫折したときにはその言葉を思い出そうとも思った。次回,講義にもし来てもらえるならば,高専生たちの意見を拾いつつ中に入っていくような講義に私も参加していきたい。かつ,学生からの質問を受け付けられる時間も欲しかったのでその部分も少し考慮してほしいと感じた。